【漫画】悪の教典(4) の感想
悪の教典(4) (アフタヌーンKC)
<あらすじ>
東京都町田市の私立高校に勤める蓮実聖司は有能で生徒からも人気の英語教師。その実は良い人間に擬態したサイコキラーで、校内で起こる数々の問題に対して犯罪を伴う方法で解決することに躊躇の無い殺人者であった。
中学時代、自分の演技(擬態)を見抜く共感性の高い同級生、石田優美と出会った蓮実は、優美を危険な存在と認識しながらも感情の模倣をより完璧にするため交友関係を持つ。中学卒業後、蓮実は進学し優美は工場へ就職したその夏休み、同僚にレイプされた優美は蓮実に自分を殺してくれと頼むが、蓮実の手は震え優美を殺すことが出来なかった。優美はその後自殺した。
校長の弱みを握り、これまで学校の影の支配者だった釣井教諭は蓮実の過去を調べ、放逐しようと宣戦布告する。それに対して蓮実はサージカルストライク(外科手術的攻撃)を実行する。
校内で起こる不審な事件と犯人として蓮実を疑う早水圭介はその尻尾を掴もうと「集団カンニングが行われる」という噂を流し、校内に仕掛けられた盗聴器を発見しようとするが、逆に蓮実に気取られ追いつめられてしまう。
<感想>
原作小説・映画未見で漫画のみ読んでいます。
これまで目立たないように慎重な行動をとっているように見えた蓮実ですが、この巻からはとてもアクティブ(笑)になってきました。何か起こるとすぐ排除=殺害という具合に短絡しています。また回想シーンの石田優美との出会いや釣井教諭、早水圭介との対決を通して蓮実の異常性や行動原理が明らかになってきました。猟銃も準備していますし、この後はもう目につく物を手当り次第に殺していくような気がしてなりません。
回想シーンで優美が首を絞められた後に微笑んだのは、蓮実の中に人間性を見つけたからなのか。レイプ犯を殺した蓮実には怨みの感情はなかったのか。蓮実が持つ人間性の存在を示唆するような場面でした。
釣井教諭、早水圭介との対決が描かれましたが、二人とも「警告を与えてやろう」「証拠を掴んで追求してやろう」というまあ普通の人の考えで行動しているのに対して、蓮実は最初から排除=殺害前提で行動していますから、なす術もありませんでした。相手は人間じゃないんですから。
早水圭介との対決シーンで蓮実は悦に入っていたのかちょっぴり話し過ぎています。盗聴器の件や殺人を認めてしまったり、殺人表明したり、圭介に対して「狩りに夢中になっている者は往々にして自分が狩られるのに気付かない者なんだ」と語っていますが、こちらからすると「お前もな」と言いたくなります。これで足下をすくわれなければ良いんですけれどね。
・今回使われなかった猟銃で次巻は大量殺人が行われるのでは?
・感情や共感性のないというのは思い込みで実は共感性があり純粋悪が揺らぐのでは?
・狩りに夢中になりすぎて思わぬ所で足下をすくわれる展開になるのでは?
個人的にはこういう純粋悪のキャラクターは大好きなので、次巻でのさらなる大立ち回りを期待しています。
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